1999年以降、新築マンションは供給ラッシュが続きました。バブルが崩壊した後、企業の福利厚生施設の跡地や、再開発事業などで、次々とマンションが建ちました。バブル崩壊度、政府が推進した低金利政策もあり、購入準備がまだできていない若年層を取り込んで、新築マンションが大量に売れた時代でした。中古マンションをリノベーションするよりも、新築がいいという価値観が根強く残っている時代でもありました。しかしながら、少しずつ消費者も賢くなって、質のよいものを買うようになります。マンション分譲会社各社の競争はさらに過熱し、利益を抑えて質のよいものを供給せざるをえなくなります。

国土交通省が始めた「住宅性能表示制度」などもあって、住宅の基本性能の高さがより確実なものになりました。マンションの構造などの基本性能は、個人で後から手を入れられるものではありません。その進化も、2005年までに、既にこれ以上ないという水準まで到達してしまいました。基本性能の向上という第一段階を終えて、より高度な居住性を求めた、微に入り細をうがつような向上という第二段階に入ったといわれています。つまり、質の底上げの役割は果たし終えたのです。

そればかりか、競争の過熱でマンション用地が高値で取り引きされるようになり、資材の値上がりなどとあわせて、マンションの製造コストがアップしています。

 そのため、1戸あたりの販売価格が高くならないように、住戸面積を狭くしたり、質をぎりぎりまで下げたりといった、手が打たれるケースが見受けられるようになってきました。悪質なコスト削減を図った欠陥マンションが発覚した事件には、こうした背景もあるのです。